組同朋大会が盛大に開催される

 去る、6月10日(日) 午後2時から、平成29年度24組同朋大会が浄教寺(高月町東阿閉)で開催され、組内から120名を超える住職・寺族・門徒らが集いました。
 開会に先立って1時30分から、組合唱団「山河サンガ」の佛教讃歌の演奏があり、参加団員25名の美しいハーモニーを楽しみました。


 開会行事は、山田組婦人会長の司会の下で進められ、先ず真宗宗歌斉唱の後、美濃部組長の挨拶がありました。続いて秦組教導から本大会の趣旨説明がありました。要旨は次の通りです。

 

平成29年度 24組同朋大会趣旨文 


 24組では2年前の同朋大会で、「24組 むかし これから 今 ―ともに創る お寺の形―」をテーマに、これからのお寺のあり方を学びました。「お寺は何のためにあるのか」「私たちは真宗門徒になれているのか」という問いに対して、湖北地方の「土徳」を大切にし、地域社会が求めていることを門徒の人と共に「共創」していくことが必要であると確認しました。特に若い世代へのバトンタッチが重要との観点から、組では50歳までの若い世代を核として「プロジェクト24」を発足し、昨年度の最大の行事であった「同朋のつどい」を企画立案していただき、大きな成果を残してくださいました。また、本山主催の「元気なお寺づくり講座」の開講も有意義な研修となり、ここでは組内寺院の若さんに参加してもらいました。そうした流れの中で、本年度は本山から「推進員養成講座」の指定を受け、寺院の若さんなどがスタッフとなり、それぞれが主体的にかかわってくださる体制を作っていただきました。こうした取り組みが何故大事なのかを考えてみると、それは今お寺を取り巻く環境が、危機的状態と感じるからです。もちろん、過疎化の問題・少子高齢化は言うに及ばす、具体的には、お参りの減少、仏事の簡素化、寺院のお取り持ち、後継者の問題などいろいろ言われていますが、何よりも深刻なのは、地域や家庭に於いて良き真宗の宗風が無くなっていくと言うことです。

 現代は、半世紀余りのうちに、人間の知恵によって科学や医学なとが発達して、夢に見た以上の遥かな豊かさや便利さを手に入れました。しかし反面、自然は破壊され異常気象を生み自然災害が多発し、また凶悪犯罪の増加、人間関係の崩壊の深刻さなどを通じて、人間の生き方が問われています。政治も経済も、教育も地域社会や家庭の中に於いても、本来親鸞聖人の願われた、お互いが尊い存在として認め合い支え合っていく同朋精神が欠落し、人間のおごりの心が中心となった生活が露呈しています。自分勝手な思いや都合を絶対化し、それが正しいと信じて生きている生き方を見直していくためには、仏法聴聞がとても大切なことです。お念仏の聞こえる生活を、私たち先輩や先祖は「おかげさま」の心として、この湖北の地に根付かせてくださいました。そうした伝統を、お寺や、各家のお内仏において相続していかなければならないのが私たちの使命だと考えます。

 来年5月には、長浜・五村別院で親鸞聖人750回御遠忌が厳修されます。親鸞聖人は何を願われたのか。浄土真宗の教えはどういう教えなのか。そして私たち一人一人が本当に真宗門徒になれているのかを確かめる御遠忌でありたいと思います。御遠忌のお待ち受けの意味を持つ本日の大会を通じて、「私たちがこれから大事にしなければならないのは何か」を確認できればと思います。

 

 続いて講演がありました。講師は、前宗務総長の里雄康意氏 (大垣教区)で、「浄土真宗の教え」―凡夫の仏道―をテーマとしてお話してくださいました。

 講演内容は、お寺や地域を取り巻く環境の変化にどのように対応していくのかを中心に、お寺が持っている本来の役割・機能を頂き直す、求道心を呼び戻す場となることが大事である。また、僧侶も門徒も一緒になって仏教の教えを聞いてほしいと篤く語られました。90分のお話は、身近な問題や話題を取り入れてくださりとてもわかりやすいお話で、参加者は大変喜んでおられました。

 お話の後の質疑応答では、お寺の役員として努力しているがなかなかお寺にお参りしていただけない現状や、お寺が活性化するための手だては無いかなど、現場での悩みを発言されました。

 閉会式では、安居組門徒会長から講師に対して謝辞が述べられ、来年教区に於いて親鸞聖人750回御遠忌が厳修されるにあたって、24組でも宗祖が何を願われたのかをあらためて問い直し、開かれた寺を目指していく努力をしていく決意を述べられました。
 最後に恩徳讃を斉唱して散会となりました。

(広報部)

2018年06月24日