ミニ法話－川柳シリーズ第１3回－

「ポンと投げ　あれこれ願い　お賽銭」

　今年もお正月から各地の神社仏閣にたくさんの方が初詣に出かけられました。

　お正月ならばこその光景です。テレビを見ていると、100円玉をポンとお賽銭箱に投げ入れて、「無病息災」「商売繁盛」「家内安全」など、たくさんの願い事をしておられるような風景が映しだされました。「御利益 (自分にとって都合の良いこと) 」を願う心はいつまでたっても無くなりません。

　日本人の生活信条は「除災招福」と言われます。災いを除いて福を求めていく考え方です。「ままにしたい」「あてにしたい」、そんな心でお賽銭をポンと投げ手を合わす。うまくいかないと「この世に神も仏もないのか」と愚痴や文句が出てきます。そのような私に、仏さまは「世の中はままにならん (諸行無常) 」「あてにならん (諸法無我) 」「それが分かれば気が楽になりますよ (涅槃寂静) 」と呼びかけてくださっています。