ミニ法話㉑

ミニ法話-川柳シリーズ第21回-

「宅配便 止まって見たら また隣り」


 


 年末年始になると、お歳暮や新年のあいさつの品々が届けられます。

 家の前に宅配便の車が止まると、「我が家かな?」と思って覗いてみるといつもお隣さん宅へ運び込まれます。「なんでいつもお隣さんなの・・・、どうしてうちは来ないの?・・・」。主人の付き合いの無さに、お隣りが羨ましく見え、みじめになる奥さんがおられるそうです。

 仏教に、くらべはからうの意味として「比量(ひりょう)」という言葉があります。
 私たちはいつでも自分の都合で物事を量って生きています。お歳暮が次々に運ばれてくる家の主人は立派に見え、お歳暮も届かない主人は情けない存在に見えるようです。

 その量る心がいかにあてにならないものかを知らせてくださるのが仏様の教えです。

 

2020年01月12日