ミニ法話⑧

ミニ法話-川柳シリーズ第8回-

「お互いに 悪いところは あなたの子」
「成績の 上がったとたん 俺の子だ」


 煩悩をもつ人間の思考に「分別智」と言う言葉があります。簡単に言えば、私たちはいつも「善・悪」のものさしで量って生きています。
 自分にとって間に合い、役立ち、都合のよいことは「善」で、間に合わない、役立たない、都合の悪いことは「悪」と考えています。「善」は幸せの条件であり、「悪」は不幸の原因と思ってます。
 ですから、健康やお金があり楽な生活をし得をすることは「善」で、病気や死、お金が無く損することなど苦しみの種は「悪」としています。人間関係においても、都合の良い親や連れ合いや子どもなどは「善」で、そうでない人は「悪」としています。
 

 自分勝手な思いや都合を絶対化し、その「ものさし」が正しい間違いがないと信じて生きている。そうした考え方を親鸞聖人は「邪見」と教えてくださいます。正信偈に「邪見憍慢悪衆生」と述べておられます。
 仏様は、そういう「分別智」でしか生きられない私たちに、自分の正体に気づけといつも呼びかけてくださっています。

 

2018年06月10日