ミニ法話㉕

ミニ法話-川柳シリーズ第25回-

「腹八分 残した二分で 薬飲む」


 


 「有り難い」の反対語は何か知っていますか?と尋ねられたことがあります。

 思ってもみなかったことですが、皆さんはご存知ですか?私は解らなかったですが、

「あたりまえ」だそうです。

 云われてみればそうだなあと頷けます。

 何事も「あたりまえ」と思っているうちは「有り難い」という世界は見えません。

 「あたりまえ」に思ったりしていたりしていることが、「あたりまえでなかった」と気づかされた時に、「有り難い」と感ずることができます。

 私は最近、脊柱管狭窄症の治療を受けて、治療薬が急に増えました。

 元気に暮らしていましたので思いもかけないことでした。
 
 腰や足が痺れ、痛みを伴い歩行に苦しんでいます。今まで当たり前に出来ていたことができなくなったり、家族に多大の迷惑をかけています。

 人間は、失ったり、壊れたり、無くしたり、離れたり、そういうことでもないと、「有り難い身」であることも気づけない悲しい存在だと教えられます。
 
 コロナウイルス感染拡大により、私たちの今までの生活様式が一変して、不安や窮屈な生活が増しています。
 
 怒りや愚痴の止むことない毎日ですが、今一度自分自身の有様を見つめ直す機会にしたいものです。


2020年07月26日