ミニ法話-川柳シリーズ第9回-
「今日も又 雨戸をあけて無事知らせ」
私の住んでいる黒田地区でも、一人暮らしの高齢者が増えました。
以前はゲートボールやグランドゴルフの仲間がおられ、元気な時は、一緒に遠くまで遠征したり試合に参加されたりして、その体験談などもお寺に来られて楽しくお話をしてくだされたお婆さんがおられました。
しかし、だんだん体力の衰えなどで足腰も弱くなり、家に閉じこもられることが多く、お会いする機会がほとんどなくなりました。
同居されている方もなく、お寺の参詣も途絶えました。
ある時近所のお婆さんにそのおばあさんの様子をお伺いしたところ、無事に生きておられますよとの返事でした。「どうしてわかるのですか」とお尋ねしたら、「雨戸が開いているからです」と言われました。自身も隠居で一人で暮らしておられ、持病もありなかなか隣まで行けず、雨戸の開閉で様子を確認していますとのこと。
周りに人がだんだんおられなくなり、訪ねてくださる人もなくなり、考えさせられる川柳です。