ミニ法話㉘

ミニ法話-川柳シリーズ第28回-

「白銀の 雪は解けても ゴミ消えず」


 


 白銀の世界はとても美しいものです。周りが真っ白でまぶしいほどです。

 日頃気になるゴミの山も隠れ、別世界の姿を見せてくれます。
 しかし雪が解けてきますと、元のゴミの山も顔をだし、消えることはありません。
 消えてなくなるといいのですがそういうわけにはいきません。

 正信偈に「不断煩悩得涅槃(煩悩を断ぜずして涅槃を得るなり)」
 (煩悩を絶たないままで涅槃のさとりが得られる)のお言葉があります。

 白銀の世界のように、いつでも真っ白な心で生きられたらいいのにと思うことがありますが、少しよさそうな心持になってもまた貪欲(とんよく)・瞋恚(しんい)・愚痴(ぐち)の心が涌いてきます。
 仏法を聞いたら良い人間になれると言われる方もおられますが、聞法してもそのような人間になることはありません。欲が消え怒り腹立ちの心も無くなり、ねたんだりなげいたりしないような人間になると思っているのであれば見当違いなことでしょう。
 私の本当の正体に気付くことが大事です。


2021年02月13日